企業供述(供述者の選択や事前準備)

企業の代理証言ということで、幹部や管理職を選任すべきと思われがちであるが、決してそのようなことはない。会社幹部が必ずしも事情に精通し、的確に供述できるとは限らないからである。また幹部を供述者とした場合、不要に貴重な時間を費やすだけでなく、マスコミなどの注目を必要以上に浴びてしまう恐れさえある。 [...]

弁護士のコミュニケーション手段

時代の流れとともに年々改良される交信手段。 言うまでもないが、どの時代においても弁護人・依頼人間のコミュニケーションには、最新の交信手段が用いられてきた。 1840年ごろ・電信が広がる。 1877年ごろ・電話の発明。 1902年ごろ・太平洋に電信線が渡り、地球を一周。 1935年ごろ・「テレックス」が広く使われる。 1990年ごろ・携帯電話が広く普及し始める。 [...]

訴訟における通訳

ロスト・イン・トランスレーション」をご存知であろうか (ビル・マーレイ主演、ソフィア・コッポラ監督)。来日した映画スター(マーレイ)がサントリーウイスキーの宣伝を撮影するシーンである。通訳を介して日本人監督とやり取りする場面は面白い。 [...]

供述がビデオに録画される場合

証人の供述がビデオ録画されると事前通知を受けた際には、事前に下記の通り手配することをお勧めする。 個別モニターを手配し、定期的に映像を確認。 必要であれば補助的照明を要求する。下向きの明かりの場合、目が陰になるケースが多い。 音質を守る為、撮影業者にヘッドホンの使用を要求。 証言者の背景は1メートルくらい離れた所に無地で無難な布を使う。 目や顔が陰になっていないことを確認。 [...]

「企業供述」 最終回

以上で企業供述の大筋は分かっていただけたと思う。言うまでもなく、個々のケースにより臨機応変に対応することが必要であるが、少なくとも上記の点を押えておけば、今後の企業供述にあたり、心構えができるのではないだろうか。

反対尋問に崩れず供述する方法

質問を良く聞く。自分の知識で返事ができる否か。(供述に備えて習得した知識も含め)聞かれていることについて覚えているか否か。返事をする前に間を置き、弁護人に異議を唱える時間を与える。正直に答える。答え終わったらそれ以上しゃべらない。 [...]

「企業供述」 供述準備及び模擬尋問

供述者は企業側弁護人と以下のような内容について準備する。 まずは、段取りの説明。日時、場所、参加者とその役割(弁護人、通訳、速記者等)、相手側の素性などを説明する。ビデオ供述の場合には、表情やしぐさなど、外見的なことも詳しくアドバイスする。 次に、証言方法に関する基本的なアドバイスをする(正直に、憶測を言わないなど)。また、口頭異議の意味や目的などについても説明する。 [...]